五輪書

本は売るようにしている。

読んでみて自身で納得し、消化できてる感があれば処分するのだが、中にはもちろん、20年経っても30年経っても理解できないものもたくさんある。

で、これがその1冊。

宮本武蔵 五輪書

今回は長い間合気道もされている、仏教学者の鎌田茂雄さんの解説本をご紹介。

 

五輪書 (講談社学術文庫)

五輪書 (講談社学術文庫)

 

 

知人が言った。

五輪書はダメだなぁ。わけがわからない。

以前、柳生流の剣法の書を読んだとき、こちらの方が至極分かりやすいと思った」

その本を読んだことはないが、なんとなくカチンときた私は、

「武蔵に文才を求めるな!」

と、捨て台詞を吐いておいた。

あとでわかったことだが、柳生宗矩の思想はそのほとんどが禅僧沢庵の「不動智神妙録」からの影響であったらしい。

道理で。

 

兵法だけでなく、一般にも使える、いや、使いたくても使えない五輪書だが、あまりの深さに理解できないし、それぞれをみていくと文章も長ーーくなってしまうので、今回は「放心と残心」にだけちょっと触れてみたい。

 

残心とは、相手を打ち破った後、気を抜かずに油断しないこと。

相手が本当に倒れるまで、この場合は死んでしまうわけだけれど、不意に立ち上がってきてやられぬように、心を残して置く。

意識を途切れさせない。

そして、放心とは心を固くとどめないこと。

心をひとつところに固着させずに解放、放つこと。

自由自在に対処できる心の状態にして置くこと。

今ちょっと、この放心、残心に興味があるんですが、

 

♪言葉で汚れた心 今 放て♫

おや、草野マサムネ氏もこんなこと言ってますね。

 

さてと、締めに「独行道」をあげておきます。

ご存知の方もご存知ない方も今一度。

 

独行道

 

一、世々の道をそむく事なし。

一、身にたのしみをたくまず。

一、よろづに依怗の心なし。

一、身をあさく思、世をふかく思ふ。

一、一生の間よくしん(欲心)思はず。

一、我事において後悔をせず。

一、善悪に他をねたむ心なし。

一、いづれの道にも、わかれをかなしまず。

一、自他共にうらみかこつ心なし。

一、れんぼ(恋慕)の道思ひよるこゝろなし。

一、物毎にすき(数奇)このむ事なし。

一、 私宅においてのぞむ心なし。

一、身ひとつに美食をこのまず。

一、末々代物なる古き道具所持せず。

一、わが身にいたり物いみする事なし。

一、兵具は各(格)別、よ(余)の道具たしなまず

一、道においては、死をいとはず思ふ。

一、老身に財宝所領もちゆる心なし。

一、仏神は貴し、仏神をたのまず。

一、身を捨ても名利はすてず。

一、常に兵法の道をはなれず。

 

                新免武蔵