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文章読本さん江

人文 思想

文章読本さん江 斎藤美奈子

 

文章読本さん江 (ちくま文庫)

文章読本さん江 (ちくま文庫)

 

 

この世の中に出版された文章読本、すなわち読み書きの本は膨大な数にのぼるそうだ。

そんなに皆、おれ様の書き方ってのを教えてやりたいのね。

しかし、この本はただの文章読本ではなく文章読本の解説のための文章読本

文章読本の研究書なの。

だからもう細かい。

 

まず文章読本界の大御所6名の紹介。

読み書き本の走りである谷崎潤一郎からはじまり、三島由紀夫清水幾太郎本多勝一丸谷才一井上ひさしと錚々たるメンバー。

定番と言いつつもそれぞれの紹介の仕方が凄まじい。

ある本は貴族趣味、ある本は神経症、終いにゃ阿呆呼ばわり.........

こう書くと斎藤美奈子女史をご存知ない方はなんなのかと思うのかもしれないが、その文章の小気味のよさはうっとりするほど上手いのである。

 

大御所紹介の後も数々の文章読本の解説が続く。

火がつけば斎藤女史に怖いもの無し(笑)

最後まで手が抜かれることはない。

 

思わず唸ってしまう書き手、文学論争である徹底抗戦文士の森の笙野頼子女史、FUTON中島京子女史、そしてこの斎藤美奈子女史。

一度、彼女らの文章を味わってみて欲しいと思う。

研究熱心なこの3人を絶対に敵に回したくないと思うはずである。