読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

かの子撩乱

文学

瀬戸内寂聴の小説で面白いと思ったのは2冊だけ。

私小説「夏の終わり」とこの岡本かの子の伝記的小説「かの子撩乱」

初読から25年ぶりに読み返してみた。

かの子撩乱 (講談社文庫)

かの子撩乱 (講談社文庫)

 

歌人、小説家、仏教研究者として名を馳せた岡本かの子は漫画家岡本一平を夫に持ち、芸術家の岡本太郎を子に持つ。

当初キリスト教に救いを求めたがかなわず、後に仏教に帰依する。

 

うむ。

たくさん引用もあるし、きちんと調べ上げている作品。

小説ではあるけれど、岡本かの子を知るには良い資料になるだろう。

 

歌人として小説家として評価すべきことがあるのだけれど、誰もがまず驚くのは愛人との生活よねぇ。

自らの放蕩の末、おかしくなった妻の為に生きることを決意した夫はかの子の愛人を自宅に住まわせることにする。

入れ替わりはあったものの、旦那と息子と共に一緒に住んだ愛人の数は合計3人。

1人目の愛人を家に入れ、その愛人が病気で亡くなると、別な惚れた男を旦那に頼んで連れてきてもらい、しかももうひとり増やして5人で住み、かの子自身が病気で亡くなるまで愛人は旦那とともに自宅で生活をしていた。

 

いや、まぁ、芸術家ってーのはなんとも。

愛人がたくさんいるのは結構だけれども、家に住むのは面倒だわ。

皆に気を遣って疲れそう(この辺が一般人なんだな)

 

1960年代の作品。

というと寂聴女史40代か。

乗ってるわけだな。

文体も好き。

瀬戸内晴美名義で出しているから出家前ということだ。

素敵な文章がたくさんあるから、ちまちました引用はやめておこうかな。

 

こんな家庭環境で育った息子岡本太郎氏だが、彼の「自分の中に毒を持て」という本が良い。

彼の画家としての作品は好みではないけれど、発言はすばらしい。

俺は芸術家だ、と豪語するやつは読んで損はなし。

というか、むしろ読め。

しかし、読んでいちいち感心しているようじゃ本物の芸術家ではないと思うけど.....ね。

夏の終り (新潮文庫)

夏の終り (新潮文庫)