飛ぶ夢をしばらく見ない

「飛ぶ夢をしばらく見ない 山田太一 新潮文庫

 

それまでシナリオからの流れでの書籍はあったが、こちらは山田太一の初の本格的な小説なのだそーだ。

初出は1985年(かな)十分古い作品だ。

1985年頃といえばふぞろいの林檎たちⅡの放送時。

 

(以下ネタバレあり)

40代の会社員が怪我をした入院先で、とある女性と知り合う場面から始まる。

列車の大事故というアクシデントから男女がひとばん同じ病室になり、言葉遊びからの自然な流れで身体抜きのちょっとした性体験をしてしまうという特異なケース。

次の朝、若いとふんだ女性の顔を確認すると老婆であり、ショックを受けた主人公はその場限りで接触を断つのだが、不思議なことに再会した女性はなんと若返っていた......。

時に逆行するように女性はどんどん若くなっていく。

 

このパターンはたまにみる。

今市子百鬼夜行抄にも確かあった。

このファンタジーを呆れられずにどう美しく現されるのかが肝だが、さすが山田太一。

寸分も飽きさせない。

東野圭吾ならここで留まるが、山田太一の場合はすすむ、迷いもなく。

小説なので道徳的にどうはおよそ関係がない、ない。

 

飛ぶ夢をしばらく見ない (新潮文庫)

飛ぶ夢をしばらく見ない (新潮文庫)