猫鳴り

まほかる三作目。

ミステリ系以外で読むのはこれが初めて。

 

(ネタバレに繋がります)

ようやく授かった子を流産してしまう主婦と明日を見いだせなくなった少年と一人暮らしの老人の1匹の捨て猫を通しての三部構成になっている。

 

前半、主婦がある男性と捨てた猫を探しにいく場面があるのだが、恋愛関係にない二人の掛け合いが微妙な方向へといってしまう。

おぉ、指1本触れずにこの表現かっ!と思うも、唯一のからみ(でもないけれど)のようなものはそれのみ。

後半は老猫と老人の静かな物語へとすすんでいく。

老猫が死に向かう様が濃密に描かれてはいるが、飼い主である老人が自身の死との対峙に重ねるも、拘泥されすぎず宗教臭くないところがいい。

もちろんもと宗教家であったがための、ひとの闇、虚無を表現するときの作者もエスプリが効いていることは確かだ。

後味が悪いという読者もいるようだが、私自身は逆に膿をさらりと表現してしまう作家なのではないかと思っている(のだよ)

猫鳴り (双葉文庫)

猫鳴り (双葉文庫)

猫鳴り (双葉文庫)

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