高校教師

「高校教師」

もちろん93年度版である。

ちなみに03年度版はテレビでも観ていない。

 

30年前に放送されたふぞろいを観るとやはり古さを感じるが、20年前の高校教師になると、さほど時代が感じられない。

携帯がなく公衆電話を多く使うシーンがあるくらいか。

すれ違いが多く恋愛には良い時代だったが。

80年代から90年代の10年でバブルも含め日本が大きく変わったのか、90年からの20年があまり変わらなかったのか。

経済的にも失われた20年というが、ドラマなどを見ているとよくわかる。

wikiには野島伸司はデビュー当時より山田太一のような社会派の脚本を書きたかったとあった。

 

桜井幸子が良かったのは放送当時からわかってはいた。

ずいぶん老けた高校生だったが、彼女の苦労からするとまさにそのままか。

今回、以前は印象が残らなかった真田広之の良さがあらためてわかった。

セリフの中でも聞く幼稚性についてはあまり感じられなかったが「もろさ」はかなり出ていた。

これもやはり真田広之でばっちりだったのではないかと思う。

 

強弱しかない棒読みの赤井英和が今まで嫌いだったが、この作品ではとても良い役だったのでなぜか少し好きになった、いや、嫌いから→普通になった。

 

その他の皆さんはよく仕事をされていたと思うので触れない。

 

やはりこの番組には森田童子の曲がなくてはならないものだったろう。

映像がちらつくと思い出すのは彼女の声だ。

「ぼくたちの失敗」の他何曲か使われているがどれも素敵だ。

あの透明感、しかし絶対に甘くはない声。

ふたりの危うい関係にとてもあっている。

 

タブーが盛りだくさんなこの作品だが、テレビ版「白夜行」に似た感じを覚える。

やはりギリシャ悲劇なのか。

最初から全体としてあるイメージは絶望。

ところどころにあるふたりの関係も希望には結びつかないのだが、ラストシーンだけがなぜか安泰にみえる。

桜井演じる繭の母性が真田演じる教師のあやうさ、もろさをうまく包んでしまっている。

 

彼らが死んでいるのか生きているのかはわからないまま。

なんかいいか、それで。

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