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たのしいムーミン一家

本日のお題は「ムーミン」

 

子供の頃、特別に好きなキャラであったわけでもない。

すっかりもう大人と呼ばれる年齢になっていた頃、夕方この「ムーミン」のアニメをぼけっとみていた。

何度目のアニメ化のものかはわからなかったが、観ていてその哲学的な要素に釘付けになってしまったのである。

それからというものムーミンを別な目で見ることになったが、原作に触れるのは今回が初めてだ。

 

物語はムーミントロール一家の冬眠のシーンから始まる。

アニメではわからなかったのだが、この作者ご自身が描かれる「絵」がいい。

すごくいい。

このフィンランド出身のヤンソンはストックホルムとパリで絵を学んだそうだ。

読んでみると哲学くさいわけではないが、ところどころ様々なキャラのセリフがやはりさらりと深かったりする。

 

さて、章別のタイトルをみていると

 

「ムーミントロールと、スナフキンと、スニフが魔物のぼうしを見つける。あらわれた五つの小さな雲。ヘムレンさんが、新しいたのしみを発見する」

とか、

「ニョロニョロが夜おそってくる。おかげでスノークのおじょうさんが、髪の毛をなくす。はなれ島でのいちばんめざましい発見」

とかあるのだが、さいきんどこかでこんなながーいやつみたような‥‥

 

あーあれだ。

「正しい名前、夏の朝にサラダオイルをかけて焼かれたもの、不正確なメタファー」

ねじまき鳥クロニクル」ハルキだわ、ハルキ(笑)

 

ムーミンは訳者がすべて一人ではないようだ。

先の「たのしいムーミン一家」の訳は山室静さんだが、こちらの「ムーミン谷の彗星」の訳者は下村隆一氏。

この作品は初期の頃に発表されたもので、ヤンソンは思い入れが深く原作の書き直しが行われた。

そしてこの作品を翻訳された下村氏は学生の頃、病で足を悪くされ、それでも日本にこれらの作品を紹介し、活躍中に不慮の事故で亡くなられたということだ。

 

ふー(ため息)

ということは、このムーミン谷にある「おさびし山」というネーミングの訳は山室氏か下村氏がつけたのでないかということになる。

うまい。

実に上手い訳だ。

「やまねずみロッキーチャック」の「ざわざわ川」も良いが、これも原作がアメリカ。

うーむ、日本古来の良いネーミングはないものか。

あ、あった。

「なんじゃもんじゃの木」ってのがある。

 

しかもアニメでスナフキンが歌っていた「おさびし山」という曲は作詞が井上ひさし

ま、参りました。

新装版 たのしいムーミン一家 (講談社文庫)

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