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南極1号伝説

人文 思想

ラブ ドールをご存知だろうか。

高級なダッチ ワイフのことを、90年頃からそう呼ぶ。

ダッチ ワイフとはオランダ人の妻という意味があるそうだが、かつてイギリスとオランダが争った歴史に関わりがあるらしい。

一般的には抱き枕のこと。

 

昨今このダッチ ワイフというものが、ただの空気人形ではなく本物のひとがたに近い形で作られて、ラブ ドールと呼ばれているのだ。

 

「南極1号伝説 ダッチ ワイフの戦後史 高月靖

私は以前、人形を制作したことがあって人形自体好きなわけではないのだが、芸術としてとても興味を持っている。

ちょっと見かけたラブ ドールの出来に目を引かれこの本を手に取ってみた。

 

空気を入れるタイプのものから、ウレタン、ソフビ、現在のシリコンまで様々に進化を遂げてきたラブ ドール。

あぁここに写真をお見せできないのが非常に残念である。

とにかく美しい。

単なるお人形さんでしょというのとは違うし、以前の惚けたような間抜けなイメージとは明らかに違うのだ。

失礼ながら球体関節人形作家やその辺の造形師よりはるかにうまく出来ているものもある。

しかも実用性を兼ね備えているのだから驚きだ。

というか実用性が先か。

 

今、日本でこのラブ ドールを製造している会社は何社かあるのだが、会社によってそれぞれ製造目的が違う。

人形なんだからあまり感情移入しないよう実用性だけが主、だから手に入れやすい価格でと考える企業から、1体1体高級スポーツカーのように完璧を目指す企業まで。

実に様々な人形たちがお客様を待っているのだ。

 

昨今のシリコン製は人間のような柔らかさを持ちながら20キロから30キロと重量もあり、問題はなんといっても価格がバイク並みの値段。

どちらも乗り物だが、メンテナンスにどちらがどれだけかかるのかはわからない。

企業によってはショールームもあるそうなので、欲しい方はご覧になってから購入に踏み切られるのがよろしいかと思う(宣伝か)

 

この本はダッチ ワイフからラブ ドールまでの歴史を綴った本であり、これらの製品開発の並々ならぬ企業努力が事細かに載っている至極真面目な本である。

「南極1号伝説」というタイトルはまぁお愛嬌。

本は出版されたら売れる方が良い。

さて、そのタイトルの南極1号についてももちろん説明されている。

ま、それは読んでいただくとして.....。

とにかく私が驚いたのは1912年日本で初めて南極探検に挑んだ白瀬氏のそちらの処理の方法であるのだが、あぁとても書くことが出来ない。

時代背景などさまざまな理由があるとは思うのだが、何よりこれが一番の驚きであった。

南極1号伝説―ダッチワイフの戦後史 (文春文庫)

南極1号伝説―ダッチワイフの戦後史 (文春文庫)