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シャトゥーン

「シャトゥーン ヒグマの森」

シャトゥーンとは冬眠に失敗し冬場にエサを探して歩く熊のこと。

日本では「穴持たず」と呼ばれる。

これは飢えたヒグマに人びとが次々に襲われる小説だ。

 

ヒグマに襲われると聞いて思い出すのは「三毛別羆事件

私はこの話を初めて聞いた時あまりの恐ろしさにしばらく外を出歩けなくなった。

最近は住宅街にも熊は出没する。

 

しかしこの本を読んで知ったのだが、その辺をうろちょろするツキノワグマとヒグマではかなりの違いがあるらしい。

内地にいるツキノワグマは70キロ程度でたまに人間と闘って山へ逃げたりするが、ヒグマの体重は400キロ。

凄まじい攻撃力で、爪は15センチもある(爪切りしないわけだし)

木には登るし、泳ぎは上手い。

時速80キロで軽トラと並走し、人間より頭がいい。

車も転がすし、家も破壊してしまう。

 

だから、もう遭遇してしまったら逃げ道はないのだ。

人間の味を覚えた熊には死んだふりも効き目が無いし、熊よけの鈴もここにいますよとお知らせしているようなものなのだ。

 

この「シャトゥーン ヒグマの森」という小説はまるで教科書のようだ。

ヒグマの生態もわかるし、北海道についても少し学べたりする。

薪なんぞについても詳しく書かれている。

書評などにはグロいとあるし、人間があまりに簡単に殺されるのでこの小説はあんまりだという評価もあるが、本当にこうやって襲われるようだし、捕まった人間は生きたまま喰われてしまうのだ。

 

しかし、この小説はあっさり殺され過ぎかな。

もう少し緊迫感が欲しかったような。

 

とにかく恐ろしい小説なのだが、以前聞いた三毛別の話があまりに強烈で、グロが苦手な私でもなんとか読めた。

先日読んだ桜庭一樹さんの読書日記で「ノンフィクションの方が面白いと言われないように、我々小説家は努力せねばならない」というようなことを書かれていたがその通りだと思う。

 

ちなみに畑を動物に荒らされても食害だが、人間が熊に喰われてしまっても食害だ。

 

三毛別羆事件のリンクをここに貼ろうと思うが、やはりショックな事件なのでこういう話に弱い方にはあまりおすすめしない。  →  三毛別羆事件

シャトゥーン―ヒグマの森

シャトゥーン―ヒグマの森