失踪日記

失踪日記 吾妻ひでお』 2005年

 

噂には聞いていたが、表紙には大きく「全部実話です」の文字。

とてもじゃないが真似できない・・・。

中身は漫画家らしく文章ではなく漫画で描かれていて、ホームレス時代と肉体労働時代と強制入院・・・の大きく3部からなる。

特に強烈なのはホームレスの頃・・・・・。

死にたくなってきた・・・と逃げ出した本人であるが、屋根のないところで暮らすようになると、とたんに発揮する生命力。

その生活の工夫がすばらしく、とても素人(?)には真似できない。

 

そう、吾妻ひでおといえば「ふたりと5人」

子供の頃から我が家にはマンガが結構あり、この「ふたりと5人」も本棚に並んであった。

近所の子供たちがしょっちゅうマンガを読みに来ていたが、回転率が良かったのはやはり「ふたりと5人」

今思えばエッチで不思議なマンガであった。

この後、私は正しい子供時代を歩み「マカロニほうれん荘」や「がきデカ」へは進まずに別冊マーガレットや少年サンデーへと移行していく。

そういえば「トイレット博士」へは寄り道したかも!

あ、こんな話はいらないな。

 

さてこの「失踪日記」もやはりそこが彼の作風なのか、非常に厳しいこともギャグマンガのごとく飄々と描かれている。

丸っこい足をした愛嬌のある絵と共に・・・。

肉体労働のさなか仕事仲間の行いに腹を立てた彼は思わず心の中で叫ぶ。

「俺は芸術家なんだぞ」と。

ほぅ・・・・

自身の心の中にはやはり・・・。

 

ようやく読めたこの本。

途中身体が動かなくなるほど、いやーな気分になるマンガであるが、うむ、読んでよかった。

ところで、吾妻ひでお氏が叫んだ「芸術家」という言葉がどうも心に残る。

失踪日記

失踪日記