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華麗なる分配野郎ジョン

ブログ

曇り空の中その男はやってきた。

男の名は分配野郎ジョン&ジョン。

電気屋だ。

 

なぜジョン&ジョンでパンチではないのか。

それは一人だからだ。

色が黒いのでパンチでも良いのだが。

 

ジョンがうちにやってきたのは配線の分配工事のため。

見積もり時に会っていない相方のためにジョンの特徴を説明する。

「うん。原始人みたいな人だよ。

髪を石の刃物で切ったようにちゃくんとそろえている」

ジョンの実物を見た相方は言う。

「あれは原始人じゃないな。

アマゾンの未開の族だ。背がでかい」

 

なるほどあらためてジョンを見るとワンボックスの天井から頭が出ている。

かなりでかい。

その特徴をいいことに、配線も脚立じゃなくて猿にはわせるんじゃないかとか、ずいぶんひどいことを言っていたのだが、やはりこの男仕事ができる。

後からつけた配線も目立たないように美しく処理し、あげくデジタルとアナログが入り混じる我が家の内部配線もあっという間に取り付けた。

テレビはデジタル、スカパーはアナログ、ハードもアナログ、録画もてんやわんや(古い)の状態を華麗に繋ぐ。

恐れ入ったぞ、ジョン。

いや、ジョン&ジョン(一人だし)

 

支払いを済ませてお礼を言う私に、ジョンは最後の仕上げにかかる。

「あの、これお願いします」

ジョンはアンケート用紙を差し出した。

大手電気チェーンから依頼された下請けジョンは仕事内容のアンケートをメイン電気店に報告しなければならない。

 

アンケートを書く私をジョンが見ている。

古代から続くその目でジョンは見つめている。

私に何が出来たというのか。

ジョン、そんなに見つめたら恥ずかしくて書けないよ。

 

戸惑う私に助言するジョン。

いや、ジョン&ジョン。

「そこは【はい】で、そこも【はい】にしてください。

そこは【いいえ】でお願いします」

 

ジョン?これはアンケートではないのか?

 

すべての仕事が【満足】に〇をさせられた私。

天晴れ、ジョン。

君のことは忘れないよ・・・・・・・・・・。