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終の住処

芥川賞受賞作全文掲載とあったので、文藝春秋を買ってみた。

『終の住処 磯崎憲一郎』 2009年

結婚し歳を重ねていく夫婦の物語。

磯崎氏はサラリーマン作家。

三井物産の次長という経歴にも話題が集まったようだ。

 

先ず、インタビュー記事を読んでみる。

磯崎氏の質問への真摯な受け答え、やはり現役サラリーマンとあって好印象。

小説や仕事に対する考えであるとか、時間とともに経過していく夫婦の関係を語る磯崎氏の言葉に感動すら覚えた私である。

石原慎太郎氏の選評に「石原さんには普通のサラリーマン家庭なんかわかんないんだろうよ、きっと」と悪態をついていたのだが・・・・・・。

 

え~小説の方を読んでいきますと、少し私も石原氏よりに傾いてきまして「的が定まらぬ印象を否めない」というご意見に最後は頷いてしまいました。

テーマは「時間」と「夫婦の関係」というところに絞られると思うのですが、時間の流れとともに記録していった日記のような、主人公の夫の脳内暴露のようなそんな感じだけが始終つきまとってしまいます。

確かに小説というものは脳内で形成されるものなのかもしれないのだが、純文学ってこんな感じでしたっけ?

 

インタビュー記事を読んだときに感じた気持ちをそのまま小説に・・・と期待をしてしまったことは確かである。

やはりしゃべる言葉と芸術にのせるものは根本的に違うんでしょうか。

でもやはり、好感を持てた磯崎氏に今後の作品もぜひ!と思うのも人情である。

今読んでみたいのはやはり「向田邦子全集」か・・・・・。

終の住処 (新潮文庫)

終の住処 (新潮文庫)