嵐が丘

嵐が丘  E・ブロンテ』1847年

 

イギリスヨークシャー。

嵐が丘と呼ばれる屋敷の主人がある日捨てられていた少年を街から連れ帰る。

その少年はヒースクリフと名付けられ嵐が丘の兄妹たちとともに育つ。

ヒースクリフは屋敷の娘キャサリンに惹かれはじめるのだが、そこから悲劇が始まる。

 

嵐が丘』というこの物語を知ったのは幼少の頃。

そうよ「ガラスの仮面」よ(恥ずかしいわ)

 

大恋愛、悲劇、暗い過去、嵐のような烈しい恋・・・なんて言葉が並べられるこの物語なんですが、今回3日もかけて読んでみて感じたことは、まず「暗いんですか?この話」ってな感じ。

幼少の頃から辛い目に遭い続けたヒースクリフのひねくれっぷりが暗いというより少し陰湿。

キャサリンの心が壊れていく場面でも重苦しさというより、わがままの度が過ぎちゃったんじゃないの?という思いもある。

気性の荒いこのアーンショウ家に引き取られたヒースクリフがご苦労さんだ。

キャサリンのわがままは世間知らずでしょうがないとしても兄ヒンドリーの陰険さはなんだ。

確かここの先代のご主人はまともな人格だったはず。

 

語り手の視点がいろいろ変わることについてもいろいろ批評があるそうだ。

構成などはよくわからないが、まるっきり視点がひとりよりは深みが出る感じがするのだが。

ほとんどが偉大な語り手ネリーによる回想。

近所のおばさんの世間話のようでなかなか悪くない。

それこそ日本の陰湿な家族間の悲劇、真っ暗闇に血の赤!朝方その辺の木からぶらさがってる・・・なんて世界より、腹が立ったら猟銃を持ち、口を開けば誰かの悪口のこの物語はなんだか言いたい放題で暴れて皆死んでったってな感想をもってしまう。

 

なんだか評価が悪いような書き方になってしまったが、そんなことはない。

とってもおもしろかったのである。

最後にかけてキャシーとヘアトンの近づき方は涙を誘う。

ここはずっと寄り添ってきたネリーが読み手のこちらまで乗り移る瞬間だ。

 

烈しい人たちの不器用な人生。

あ~あ、おばさんの茶飲み話真剣に聞いちゃったよぉってな名作。

嵐が丘 (新潮文庫)

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