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エロ事師たち

『エロ事師たち  野坂昭如

 

本の説明を・・・といきたいところですが、何を書いてもひっかかりそう。

今回ばかりはジャンル変えかいと思いつつ、見渡すとあるじゃんあるじゃん

「エロ・ブログ」

しかしよーくみると エコ・ブログ すみません・・・。

いや、これは文学について書いているのであるからして、なんら気にすることもないんですわな。

 

盗聴、ブルーフィルムの撮影、販売、乱交パーティ等で金を稼ぐ男たちの物語。

関西弁とテンポのよい独特のリズム。

あらゆるエロ事を仕掛け、そしてパクられる。

しかし男たちはこの世界でしか生きられない。

 

エロ事師の一人、スブやんの台詞を引用します。

 

「せつない願いを胸に秘めて、もっとちがう女、これが女やという女を求めはんのや。実際にはそんな女、この世にいてえへん。いてえへんが、いてるような錯覚を与えるのが、わいらの義務ちゅうもんや。そら、わいらは人にいえん商売してる。そやけど、エロを通じて世の中のためになる、この誇りを忘れたらあかん、金ももうけさしてもらうが、えげつない真似もするけんど、目的は男の救済にあるねん、これがエロ事師の道、エロ道とでもいうかなあ」

 

野坂氏は1963年これがデビュー作というから驚き。

1作目からすでにがつんとした作品。

そして1967年「アメリカひじき」「火垂るの墓」で直木賞受賞。

 

かなり古い本ですが、時代に関係なく読めます。

実際ブルーフィルム(古い)関連のアルバイトを野坂氏自身が行なっていたとあってリアリティは十分。

いろいろな男たちのエロに対する生き方がアホ臭くておもしろい。

巻末の澁澤龍彦氏の解説もとてもわかりやすい。

 

読んだことのない感覚。

重いことを軽く、軽いことを重く描けるのもまたワザ。

またひとつ経験をさせていただきました。

エロ事師たち (新潮文庫)

エロ事師たち (新潮文庫)