FUTON

FUTON  中島京子」読了。

 

アメリカの大学で100年前の田山花袋「蒲団」を研究するデイブ・マッコーリー

愛人の日系女子学生エミ・クラカワ。

彼女の曽祖父セガワ・ウメキチ。

セガワ・ウメキチを取り巻く家族とヘルパーたち。

この「蒲団」の研究をするデイブとウメキチの戦中戦後のお話。

しかし本当のメインはこのデイブが書き直す「蒲団」という小説だ。

 

まさにタイトルも「蒲団の打ち直し」

この本の半数のページはまさにこの「蒲団の打ち直し」で占められている。

正直、この小説がどんな話なのかはあまり印象が残らない。

なぜならあまりにも「蒲団の打ち直し」の影響が強いからだ。

これは作者中島京子の策なんでしょうね。

 

花袋に敬意を表しわざと自身の小説を影にまわしている。

そしてこの「蒲団の打ち直し」は本当にすばらしい。

本家「蒲団」では名前すら出てこない細君美穂からの視点。

 

ところどころ作者の想像と思われる書き足しはあるものの原作の会話などはそのままで、花袋にすまないのではと思わせるくらいのうまさなのだ。

これが事実花袋の原作あって故のうまさなのか、中島さんのすごさなのかは彼女の他の作品を読んでみるとわかるのかもしれないね。

FUTON (講談社文庫)

FUTON (講談社文庫)