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残虐記

昨今猟奇的な事件が後を絶たないが、ここ十数年で一番衝撃的だったのは新潟少女監禁事件であった。

9年もの長い歳月の間、そして無事に戻ってからさえも少女や関係者たちについて何も語ることは出来ない。

残虐記 桐野夏生」はこの事件に触発された作者が、独創的なリアリズムを駆使し描いたと紹介文にはかかれている。

もちろんモデルにした・・・とは、書かれていない。

 

残虐記  桐野夏生

 

一人の作家が消える。

残された手記には自分が少女監禁事件の被害者であったと書かれている。

原稿には22年ぶりに作者に届いた犯人からの手紙が添えられていた。

作者はどこへ消えたのか、そしてその手記の内容とは・・・・。

 

少女が経験したこと監禁中の内容などは書かれているが、犯人の動機や背景になった事実などは少女の想像の範囲で記してある。

犯人自身が少し普通とはかわった人間であったし、事件にかかわったと思われる人間も行方不明などで事実確認がとれない。

ナゾが多い事件であった。

無事に家に戻ることになった少女もあまりの事の重さに耐え切れず、夜の妄想で精神を保つようになる。

犯人と少女の間に何があったのか、二人の交流は・・・・。

 

おぞましい。桐野夏生

エンタメとはいえ、純文学を読み終えたような気分になる。

こちらの作品は他の桐野作品に比べ評価が低いような気がするのだが、なぜだ。

おぞましい・・・・・閉じ込められる・・・・・といえば、これだろう。

 

砂の女  安部公房

 

これもすごい・・・。

砂丘へ昆虫採集に出かけた男が、砂に埋もれそうな一軒家に閉じ込められる。

そこには(底には・・・)一人の女が住んでいて・・・・・・。

町ぐるみで男を閉じ込め、逃げられなくなった男がとった方法とは・・・。

こちらも砂でむせそうになるので、精神状態があまりよろしくない方は読むのを控えた方がよろしい。

逃げられなくなった男の意識の変化がすばらしい。

性的な意味での意識化の描写も読み応えありだ。

 

今日の2冊は極限状態になった人間たちが選んだ方法・・・・そして意識のお話。

あぁおぞましい・・・・・。

残虐記 (新潮文庫)

残虐記 (新潮文庫)

砂の女 (新潮文庫)

砂の女 (新潮文庫)