腑抜けども、悲しみの愛を見せろ

本日の読了本は「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ 本谷有希子

 

「あたしは絶対、人とは違う。特別な人間なのだ」

長い間そう思い続けてきた「澄伽(すみか)」

女優になるため上京していたが、両親の訃報で田舎に戻ることに・・・。

そこから妹「清深(きよみ)」への復讐が始まる。

 

まぁ一言で言うと「陰湿な姉妹喧嘩」

どこの家庭にもある話だけど、ここまでいくと陰湿も通り越しちゃうかな。

登場人物は、この二人の姉妹とその兄。兄嫁。

姉は女優を目指すほどの美貌の持ち主だが、妹は喘息という病を持ち容姿も一見冴えない。

そんな姉がなぜ妹を執拗にいじめることになったのか・・・。

 

舞台は、田舎。

女優としてうまくいかない姉は、原因はすべて妹にあるのだという。

高すぎるプライドを持つ彼女は、思い通りにならないことは許せずヒステリーを起こす。

自分勝手すぎるこの姉に妹も兄も完全に手を焼くのだが、実はこの妹の動きがおもしろい。

兄との関係。兄と兄嫁の関係。

そしてこの兄嫁の生い立ちや性格などもうまく描かれている。

 

本谷有希子 1979年石川県生まれ。

劇作家 演出家 小説家 声優 「劇団 本谷有希子」主宰

多才である。

この作品の初出は2004年とあるので、彼女25歳のときの作品。

才能のある方はお若いときから開花されますなぁ。

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ (講談社文庫)

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ (講談社文庫)