文学

魔の山

本の虫、ご存知ですね。 本好きの人のことじゃぁなく、実際に古書や置きっ放しの本をうろうろしているあの小さな虫のことです。 最近、私の指の周りを徘徊しておったのですがっ!! 出た場所もまさしく本の上なんですがっ! 虫が這っていたのはkindleアプリ…

小さいおうち

はー ふー うー 風邪と長雨で調子悪いですが、今日もいきますよー 「映画 小さいおうち」 小さいおうち [DVD] 出版社/メーカー: 松竹 発売日: 2014/08/08 メディア: DVD この商品を含むブログ (28件) を見る ようやく観たの。地上波では放送済みなんですって…

夏の終り

「夏の終り 瀬戸内寂聴」 冒頭は風呂へ行くと言って偽り、男の元へ走る女の場面から始まります。 自宅で待っているのは夫、ではなく他人の夫(大爆笑) 主人公は自立した女。 そこへ通って来るのは妻子ある「売れない」小説家。 週の半分半分をきっちり妻と…

かの子撩乱

瀬戸内寂聴の小説で面白いと思ったのは2冊だけ。 私小説「夏の終わり」とこの岡本かの子の伝記的小説「かの子撩乱」 初読から25年ぶりに読み返してみた。 かの子撩乱 (講談社文庫) 作者: 瀬戸内晴美 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 1974/12 メディア: 文庫…

家出のすすめ

「一盗二婢三妾四妻」情事をしていちばん楽しいのは「盗」んだ女。次は使用人でその次は愛人.......とまぁ、こんな書き出しではじまるんですが、中身はこんな本じゃぁないのよ。一言で言うなら、子の自立、成長は母との闘争にある......という話。 家出のす…

開かせていただき光栄です

舞台は18世紀ロンドン、解剖教室でのミステリ。グロが苦手な方でもわりと大丈夫(かな)「死の泉」が陰ならこちらはわりと陽寄り。洋ものでも短編「蝶」のような和ものでも皆川さんの描くものにはねっとりとした闇が漂うのにしつこくないのは、このテンポ…

おぞましい二人

ちょっと、いや、かなり気になる作家がいる。 その名はエドワード・ゴーリー。 アメリカの絵本作家なんだけど、間違っても小さな子供に読ませてはいけない。 そう、それは大人の絵本。 不条理と残酷にたんまりと満ち溢れているのよ、これが。 そして作品のほ…

アミダサマ

沼田まほかるはデビュー当初から巧かった。 何年書いてもそれなりの作家がいる中、描く度にますます巧くなる。 が、しかし、今回小さな女の子が特別の力を持つホラーサスペンスなのだが、面白かったかと訊かれれば、うむ、どうだろうと少し悩む。 そして帯に…

欲望

「欲望 小池真理子 新潮文庫」 中学の同級生三人(女二人と男)の大人になってからの物語だが、三島由紀夫の小説を絡めながらの物語であり、主人公の愛する男性は性的不能者。 女性作家の目からどんな心理が展開されるのかと思ったが、心情を書き過ぎた感が…

飛ぶ夢をしばらく見ない

「飛ぶ夢をしばらく見ない 山田太一 新潮文庫」 それまでシナリオからの流れでの書籍はあったが、こちらは山田太一の初の本格的な小説なのだそーだ。 初出は1985年(かな)十分古い作品だ。 1985年頃といえばふぞろいの林檎たちⅡの放送時。 (以下ネ…

氷点

「氷点 三浦綾子 角川文庫」 三浦綾子を世に知らしめた代表小説。 誰もが持つであろう人間の腹黒さを露にしていく内容で、テーマは「原罪」 (ネタバレがあります) 自分の子供を殺した犯人の娘を育てることになる夫婦。 文章の中に何度も登場する言葉は「汝…

苦海浄土

「新装版 苦海浄土 石牟礼道子 講談社文庫」 昨日から読み始めました。 その地で育った著者の記録。 人びとの土地の言葉で語られる現実。 第4部を書いてみたいと石牟礼さんはおっしゃってるそうです。 新装版 苦海浄土 (講談社文庫)作者: 石牟礼道子,原田正…

猫鳴り

まほかる三作目。 ミステリ系以外で読むのはこれが初めて。 (ネタバレに繋がります) ようやく授かった子を流産してしまう主婦と明日を見いだせなくなった少年と一人暮らしの老人の1匹の捨て猫を通しての三部構成になっている。 前半、主婦がある男性と捨…

点と線

「点と線 松本清張」 ネタバレに結びつくかも......。 最初から犯人の予想が付く設定で、アリバイ工作の謎解きになっている。 一箇所、はっ!とした部分があったが、それのみ。 登場人物への感情移入もできず、さらさらと軽い感じがした。 砂の器の方が個人…

殺人鬼フジコの衝動

こんな年になるまで小説をあまり読まずにきた。 これから数々の名作、大作に手を出せるはずなのに、ついつい火に入る虚しさよ。 どこにも光がない救われない人生なのかもしれないが、悪事を働く意味を見いだせない。 確かに意味などいらないのだが、引き込ま…

彼女がその名を知らない鳥たち

「彼女がその名を知らない鳥たち 沼田まほかる」 大人の恋愛ミステリですかね。 帯には豊崎しゃちょうはじめ4人の推薦が載っておりますが、どれも納得がいく感想でした。 以前の恋を忘れられない女、十和子と冴えない男、陣治の話。 前作「九月が永遠に続け…

限りなく透明に近いブルー

『限りなく透明に近いブルー 村上龍』 えぇえぇ、30年以上後れていますとも。 新刊の話題じゃぁないのよ、デビュー作の話よ。 20年ほど前、ある村上作品を読んでそれ以来読んでいない。 なぜかって?あまりにも字が多かったのである! バカなあたしは字…

ダンスと空想

「ダンスと空想」 神戸を舞台に繰り広げる独身の女性たちの日々。 ま、とにかく元気なんですの。 で、帯に女子会、楽しい女子会なんてありましたから、手に取って、いぇ~購入してみましたが、女子会とはよくつけたもんです。 確かに女子会は女子会なんです…

ユージニア

「ユージニア 恩田陸」を読んだ。 旧家で起きた大量毒殺事件。一人生き残った美少女。 犯人に繋がる手がかりを聞きだそうするが、彼女は盲目であった。 誰かのインタビューに答える形式で始まるこの物語。 この女性は何者なのか? そしてこれから何が語られ…

九月が永遠に続けば

なんの変哲も無いタイトルである。 まず普通なら手に取らない。 それに作者の名前が変わっている 「沼田まほかる」 なんなの、これ、名前なの? ま、まほかる.......... なぜ、読む気になったかというと、帯に「第5回ホラーサスペンス大賞」とか「第1位」…

死の泉

「死の泉 皆川博子」 ナチスドイツの親衛隊SSが人口増加のため設置した出産施設レーベンスボルン。 ヒトラーは金髪碧眼の純血アーリアンを求め、未婚でも出産を奨励した。 多くの子供たちが誕生するこのレーベンスボルンは通常「生命の泉」と語られるが、こ…

暗渠の宿

「暗渠の宿 西村賢太」 この本はタイトルの「暗渠の宿」と「けがれなき酒のへど」の2作からなる。 「けがれなき酒のへど」はもうとにかく恋人が欲しくてどうしようもなくなった著者が、女を求めて彷徨う物語なのだが、これがもうおかしい。 いや、おかしい…

猫を抱いて象と泳ぐ

「猫を抱いて象と泳ぐ 小川洋子」 何やら不思議なタイトルです。 小説を読んでみるとなるほどと納得していくわけですが、内容などわからなくてもこころにそっとひっかかるタイトル、それが小川さんの世界。 この小説は、伝説のチェスプレーヤーの物語。 ただ…

沢庵

この水上勉氏の「沢庵」は小説ではなく、沢庵の門人武野宗朝という方の残した「行状」「紀年録」というものを参考に沢庵の生涯を追ったものだ。 沢庵は幼少より天才肌というよりは努力家であったらしい。 権力に自らの純禅を冒されることを嫌い貧乏を選んだ…

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない

「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない 桜庭一樹」 初期の頃の作品である。 「少女には向かない職業」となんとなくテイストは似ているのだが、私はどちらかというとこれの方が好きだ。 欲であるとかそういうものから生まれる陰湿なものより、仕方なさから出てくる…

仮想儀礼

文庫落ちを本屋の棚でわしっと捕まえてから何ヶ月経っただろうか。 「仮想儀礼 篠田節子」は私の中でようやく終わりを迎えた。 つか、読み終わったのです。 篠田さんには以前「女たちのジハード」で楽しませていただいた。 今度手にした「仮想儀礼」も前半イ…

たのしいムーミン一家

本日のお題は「ムーミン」 子供の頃、特別に好きなキャラであったわけでもない。 すっかりもう大人と呼ばれる年齢になっていた頃、夕方この「ムーミン」のアニメをぼけっとみていた。 何度目のアニメ化のものかはわからなかったが、観ていてその哲学的な要素…

青い壺

私は有吉佐和子という作家の作品が好きだ。 彼女の作品をそれほど多くは読んでいないけれど、いや、ほとんど読んではいないのだけれど、彼女の作品は力強い。 今回手に取ったのはこの作品。 「青い壺」 すばらしい作家であった父を持つ地味な二代目陶芸家。 …

利休にたずねよ

ようやく「利休にたずねよ 山本兼一」を読み終えた。 天下一の茶頭利休の悟達ぶりが(ふりじゃねーか)良い。 導入部からの文章にため息が出る。 極めた美意識の行き着く先。 たぶんネタバレにならないとおもうので引用してみます。 「人は、だれしも毒をも…

薬指の標本

誤解を恐れずに言うならば、私が思うに頭のいい人間は字が上手くない。 というより、汚い。 もう少し丁寧に言ってみると、ま、多いような気がする。 頭がいいことを自覚している私の友人は、思考に字がついてこないのよと説明していた。 そしてものすごく頭…